しばらくモヤッとしていた事が少し言語化された感じがする。

もしSIerのエンジニアがジョブズのスピーチを聞いたら(1) - Wadit Blog.
もしSIerのエンジニアがジョブズのスピーチを聞いたら(2) - Wadit Blog.
多くの人が混同するのだが、ITという括りであたかも同じように語られるのが、業務システムの開発とソフトウエアの開発である。営業システムとか生産システムといったものが業務システムで、MSのオフィス製品だとか、DBMSだとか、パッケージのようなものがソフトウエアとすると、それぞれを開発するやり方は違うと思いませんか。
もしSIerのエンジニアがジョブズのスピーチを聞いたら(3) - Wadit Blog.
なぜ、"コードはソフトウエアを作る時に書いて、業務システムはそのソフトウエアを使って組み上げる"ことができないのでしょうか。プログラマーは、役に立つ魅力あるソフトウエア(ツール)を産み出すことに自分のスキル、意欲を傾注したらいい。そして業務システムを作る人は、業務プロセス、仕事スタイルをデザインできる人がすればいい。後者こそ本来のSIerのめざすところではないでしょうか。
もしSIerのエンジニアがジョブズのスピーチを聞いたら(4) - Wadit Blog.

よくSIの受託開発仕事をDISる文脈で「コードを書く事へのこだわり」みたいなものを語られる事に対して、 なんとなく共感する部分も感じつつ、同時に違和感も感じる事が多いのだけれども、それはそういった文章がここで言われている「混同」に無自覚だからなのかな、と思った。
具体例挙げられるほどに覚えてはいないのだけれども。

ソフトウェアによる様々なサービスやプロダクトが登場してくる現在及び今後の状況において、SIの現場ではできるだけ「コードを書かない」でソリューションを確立・提供すべきなんだと最近強く思う。
エンジニアとしてはコードを書くスキルを磨いて実装力を持ち続ける事は必要だとは思うけど、SIとして顧客に提供する価値って「コードを書く」事じゃないよ、と思うわけです。

スクラッチ開発で人月積み上げた方が儲かるっていうのはその通りなんだけど、そんなコストをかけ続けられる顧客自体がどんどん少なくなって先細るのは明白なので、こういう視点も一つの例として、SIでどんな価値を提供すべきなのかを考え転換していく必要があると改めて思った次第です。

そういう取組をしたとしても人月の呪縛から逃れるのは難しいとも思っている。
まあ、個人的には人月見積を全面否定する気はないのですが、持続可能なビジネスとして成立させる為には同時に考えていくべきテーマではあるよね。