一部の業界関係者には「衝撃」となった「IFRS適用延期」という自見金融担当大臣の発言。
あれからもう1か月近く経ちますが、私は別に会計は専門家でもなんでもないですが、仕事上ちょっとは関わりがあるという事で、思うところと書いておこうかと。

別に時期を見ていたわけでもなく、単に忙しくて時間とれてなかっただけなんですが、なんか、トイレに行っても「出そうで出ない」感じがずっと続くようで気持ち悪いので。


で、この件は「震災の影響を口実にできる」とかいう事もあって、少し前から会計士やコンサルなどの関係者の間では言われだしていた事のようなので、「ついにニュースに出たのか」というのが個人的な印象ではありました。

それにしても、これでまた日本が世界から取り残されていく事案が増えたわけですかね。
まあ、既にかなり出遅れている事ではあるので、ジタバタしても仕方ないという、諦めとか開き直りという事でしょうかね。

また、会計コンサルとかSIerやパッケージベンダーなどのIT関連とか、IFRSをビジネスにしたい側の「煽り」が効いて、狙いとは違う方向に作用してしまったとも言えるのかもしれません。
自分などもそこに加担している一人とも言えるわけですけど、IT屋の売り込みとしては「IFRS対応を機にグループ経営の基盤をしっかり作りましょう」というのが主旨であって、もともとERPやらBIやらのキーワードに絡めて言ってきた事の焼き直しな感じではあるし、IFRS強制適用という制度対応の為だけにシステムを大改修するような投資がそもそも通るわけないと思っているし、「制度対応をこなす」為だけならそれなりの対応でなんとかなると思いますけど、その辺を勘違いされている方がまだまだ大勢いらっしゃるという事なんでしょうかね。あと一部には少し前の内部統制がらみではコンサルだけが儲かったみたいな「トラウマ」を気にされている方もおられるようで。

まあ、会計コンサルやITの業界関係者からすると、時期が遅れて浅く長くなった方がやりやすいという面は確かにあります。
会計の話じゃないですが、MUFGのシステム再構築案件が多くの技術者をバキュームのように吸い続けていたなんて例もあるように、大企業のプロジェクトが動き出せば「できる人」は吸い取られてしまい、出遅れた企業には需要があっても対応できる人がいませんぜ、ってな話にもなりかねないわけですね。
準備期間が長くなればビジネスボリュームのピークも平準化できるので、業界全般的にはあながち悪い話でもないのだと思います。

ニュースが出てからだいぶ時間もたったので既に色んな人の見解出たりしているようです。

2年前に逆戻りしたIFRS議論――大幅増員した審議会で結論は? - IFRS 国際会計基準フォーラム

IFRS適用延期、私はこう思う : IT pro


いろんな人がいろんな事を言っているみたいですが、それぞれに言っている事のレベルが違い過ぎて唖然とします。
特に「IFRSのこういう点がダメだから、そもそも採用すべきか、、、」みたいな意見はレベルが低すぎて話にならないですね。
IFRSは今後も変わっていくし、その中で一定の役割を担って、場合によっては日本の商習慣を考慮した形を認めさせるなどの動きができるようにする為にも、日本としてはIFRSに積極的に関与していくべきなんだと思いますけどね。

時価評価がうんぬん、、、の話も散見されますね。
確かに上場株式とか十分な流動性のある市場での取引価格で時価が決まるような一部の資産については、確かに時価の変動に振り回される要素はあるかもしれませんが、それって連結ベースで見るときにどれだけの影響があるんだろう?というのがそもそも疑問。
持合い株式がどうのこうの、なんてのは知りません。

で、それ以外の資産というか投資の時価というのは、その資産から将来どれだけの収益を得られると見込んでいるかという見積もりの話であり、それって経営判断そのものじゃね?というのが、私の感覚なんですが。
業種によって合う、合わないの問題とかないと思うんですけど。
まあ、それなりに根拠を示す必要はあるだろうから、その辺大変な面はあるのかもしれませんけど、普通は経営としてやっているはずの事をどこまで開示するかだけの話だとも思うわけですが。

まあ、とりあえず任意適用はすでにできるようになっているわけなので、強制適用がいつになるかとか関係なく、IFRS対応しているかどうか自体が企業を見る基準の一つになるのかもしれないですね。